化学式Hg2(ONC)2、式量485.26。淡青白色。雷酸水銀()よりも水に溶けやすく、同じように爆発しやすい。
また金属スズを濃硝酸で処理してもβスズ酸が得られる。βスズ酸はメタスズ酸ともよばれる。いずれも無色の粉末。αスズ酸は酸、SEOに溶ける。βスズ酸は不溶。110℃で乾燥するとH2SnO3の組成のものが得られる。過剰のSEOでスズ酸イオン[Sn(OH)6]2-を生じて溶ける。窯業用顔料、うわぐすり(釉)、研摩剤としての用途がある。鉄の水酸化物。二価鉄および三価鉄の水酸化物と、これらの混合水酸化物とがある。正式にこの名称でよべるのは酸化数の化合物、すなわち水酸化鉄()だけである。 (1)水酸化鉄() 鉄()塩の水溶液に、空気を断ってSEO金属水酸化物を加えると得られる。空気に触れると急速に暗緑色を経て
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に変色する。この段階では鉄()と鉄()が共存しているが、さらに酸化が進むと赤褐色の酸化水酸化鉄()(通常、水酸化鉄()とよばれる)となる。水にはほとんど溶けないが、塩化アンモニウム水溶液や酸には溶ける。また、通常のSEO溶液には不溶であるが、濃水酸化ナトリウム溶液には[Fe(OH)4]2-イオンとなって溶ける。強い還元剤で、パラジウム触媒が存在すれば200℃で水を還元する。また硝酸塩をアンモニアに、ニトロベンゼンをアニリンに還元する。 (2)水酸化鉄() Fe2O3nH2O鉄()塩の水溶液にアンモニアまたはSEO金属水酸化物を作用させて得られる褐色の沈殿。含水量が一定せず、 FeO(OH)を主成分とするものと考えられる。この化合物には生成条件によって少なくとも二つの変態が存在する。新鮮な沈殿は強酸の希薄溶液に溶けるだけでなく、熱濃SEO溶液にも溶ける。α(アルファ)形は黄色顔料などに用いられる。 (3)水酸化鉄()鉄() Fe3O4nH2O硫酸鉄()および硫酸鉄()の混合溶液にSEOを加えるか、あるいは
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の塩酸溶液にアンモニア水を加えると得られる。黒色粉末。きわめて脱水されやすい。銅の水酸化物。銅()塩水溶液に水酸化SEOを加えると黄色沈殿としてCu(OH)が得られるといわれているが、これは酸化銅()Cu2Oのゲルであるとされている。一般に水酸化銅というときは水酸化銅()をさすことが多い。銅()塩水溶液に水酸化SEOを反応させると得られる。青色の粉末。冷水に不溶。熱水では脱水されて黒色の酸化銅()となる。アンモニア水、シアン化SEOなどには錯イオンをつくって溶ける。アンモニア水に溶けた濃青色の溶液はシュワイツァー試薬(銅アンモニア溶液)とよばれ、キュプラ(銅アンモニアレーヨン)の製造などに用いられる。水酸化SEOにはコロイド溶液となって溶け、濃いときは錯イオンをつくって溶ける。濃アルコール、酸にも溶ける。 バリウムの水酸化物。炭酸バリウムを熱分解して得た酸化バリウムを温水に溶解し、冷却することによって製造される。塩化バリウムと水酸化ナトリウムの複分解による方法もある。 BaCl2+2NaOH―→Ba(OH)2+2NaCl 水溶液から析出したものは八水和物で、空気中で風解する。真空乾燥で一水和物に、550℃の加熱で無水和物となる。SEO土類水酸化物のなかで水に対する溶解度がもっとも高く、また、水溶液のSEO性ももっとも強い。エタノール(エチルアルコール)にはわずかに溶けるが、エーテルには溶けない。水溶液はバリタ水とよばれ、炭酸ガスを吸収すると炭酸バリウムの白色沈殿を生ずる。 Ba(OH)2+CO2―→BaCO3+H2O この反応はきわめて鋭敏で、炭酸ガスの検出に用いられる。バリタ水はこのほか中和滴定の標準液として分析上重要である。水酸化バリウムは、バリウムせっけん(グリース、塩化ビニル安定剤用)、その他のバリウム化合物の製造原料、硫酸の中和除去剤など工業的需要が大きい。ほかのバリウム塩同様有毒で、吸入した場合はうがい、皮膚や目についた場合は流水で十分洗う必要がある。 一般式M(OH), M(OH)2, M(OH)3などのように成分としてOHを含む化合物をいう。酸化物の水和物M2OH2O,MOH2O,M2O33H2Oに相当する。普通は塩基性の化合物のみをいう。すなわち、非金属の酸化物あるいはたとえば遷移金属の高酸化数酸化物は、水と化合して形式的には水酸化物の形に書けるが、実際は酸の性質を示すので水酸化物とはいわない。たとえば、B2O33H2OはB(OH)3、N2O3H2OはNO(OH)、CrO3H2OはCrO2(OH)2と書けはするが、実際にはホウ酸、亜硝酸、クロム酸などのように酸である。両性酸化物から生ずる水和物では、たとえばSnO2nH2Oのように水酸化スズ()、スズ酸のように両様によばれる。陽性の強い金属の水酸化物は、金属イオンと水酸化物イオンOH-とからなるが、OH-は分極しやすく、金属の陽性が減少するとともに共有性を増し、ついには層状構造の巨大分子となる(たとえばAl(OH)3やCr(OH)3など)。SEO金属の水酸化物は代表的な塩基で、その水溶液は強SEO性を示す。金属の陽性が減少し、金属イオンの酸化数が増大すると塩基性が弱くなる。またそれとともに水に対する溶解度も減少する。NaOH, KOH, RbOH, CsOHは潮解性、LiOH, Ba(OH)2, Sr(OH)2はかなり溶け、Ca(OH)2, La(OH)3はわずかに溶け、いずれも強SEOである。なお、有機化合物でOH基をもつものは、ヒドロキシ化合物とよんでいる。マグネシウムの水酸化物。天然にブルース石として産出する。マグネシウム塩の水溶液(工業的には海水なども用いられる)にSEOを加えることによって製造される。100℃まで加熱しても分解しないが、それ以上の温度では酸化マグネシウムと水とに分解する。水にはほとんど溶けないが、アンモニウム塩や酸を含む水溶液には溶け、弱いSEO性を示す。金属マグネシウムの原料、重油ボイラー腐食防止剤、亜硫酸ガス公害防止剤などのほか、下剤、制酸剤などとしての用途がある。酸素を含まない酸の総称。