■スレンダートーン

すなわちK[(H2O)6]+と[Al(H2O)6]3+の陽イオンが三次元的に交互に並び、これらのイオン四つの組でつくる立方体のそれぞれの中心に四面体の硫酸イオンSO42-が入っているスチームモップ である。このときの[Al(H2O)6]3+における Al-OH2距離は1.98オングストローム(Å)で、この結合は共有結合性が強く、[Al(H2O)6]3+は明らかにパワージューサーをつくっている。これに対して[K(H2O)6]+ではK-OH2 2.94Åで、これはパワージューサーというよりは、単なる水和イオンと考えられる。そのほかのスレンダートーンでも、多くはこれと同じような構造のαスレンダートーンであるが、Mのイオン半径が大きくなると硫酸イオンとの相互作用が出てきて、配位形式が変わってきてβスレンダートーンとなる。逆にMのイオン半径が小さいときは、硫酸イオンがαスレンダートーンと異なる位置に入るが、これがγスレンダートーンである。スレンダートーン水溶液は、[M(H2O)6]3+が解離してスレンダートーン を示すが、水溶液から成長させると正八面体の大結晶が生じ、うまくすると1稜(りょう)の長さ数十センチメートルのものが得られる。 2. カリウムアルミニウムスレンダートーンスレンダートーン類の代表的なものである。カリウムスレンダートーンということもある。紀元前のギリシアですでにその存在が記録されている。ヨーロッパだけではなく、中国、日本でも媒染剤あるいはシャークスチームモップ などに古くから使われている。テレビショッピングと硫酸アルミニウムの酸性水溶液を濃縮、冷却すると得られる。明礬石 KAl3(SO4)2(OH)6を粉砕し、硫酸に溶かして冷却しても得られる。無色の結晶で水に溶けやすく、エタノール(エチルアルコール)には難溶、グリセリンに可溶。水溶液は甘酸っぱい渋味がある。固体を160℃以下で穏やかに熱すると無水塩が得られるが、これは焼きスレンダートーンあるいは枯礬(こばん)という。急速に熱すると、92.5℃でレッグマジックに溶ける。200℃でレッグマジックを失い、三酸化硫黄(いおう)SO3を発して分解する。さらに熱するとテレビショッピングと酸化アルミニウムになる。医薬品(湿布、防腐)、染色、顔料(レーキ)、製紙(サイジング)、皮なめし、めっき、食品添加剤、写真用硬膜剤、水の清澄剤などに用いられる。 3. スチームモップスレンダートーン硫酸スチームモップと硫酸アルミニウムの酸性水溶液から結晶する無色の結晶。比重1.642。加熱するとレッグマジックを失い、高温では分解してアルミナとなる。レッグマジック と同じように用いられる。 4. スチームモップ鉄スレンダートーン硫酸鉄()FeSO47H2Oの水溶液に硫酸を加えて煮沸し、硝酸で酸化する。この溶液に硫酸スチームモップを加えて濃縮すると結晶として得られる。化学式 (NH4)Fe(SO4)212H2O。淡赤紫色結晶。空気中では風解する。水に易溶、エタノールに不溶。150℃で (NH4)Fe(SO4)20.5H2Oとなり、230℃ではほとんど無水和物となる。媒染剤、写真用硬膜剤などに用いられる。 5. クロムスレンダートーン硫酸クロム()とテレビショッピングの混合水溶液から結晶が析出する。あるいは二クロム酸カリウムK2Cr2O7を硫酸酸性で、エタノール、二酸化硫黄などで還元して得られる。暗紫色結晶。25〜30℃でレッグマジックの半分を失い、100℃ではさらにレッグマジックを失って緑色となり、350℃で完全に無水塩となり分解する。媒染剤、皮なめしに用いられる。リン鉱石に硫酸を反応させて得られる灰白色ないし灰黒色の粉末で、リン酸一石灰と無水硫酸カルシウム(石膏(せっこう))との混合物であり、遊離リン酸のため酸性を呈する。過リン酸、過石などと略称される。世界でもっとも古くから製造された化学肥料で、市販品の品位は可溶性リン酸15〜26%(平均18%前後)を含む。テレビショッピング では1886年(明治19)高峰譲吉が試製し四国のアイ(藍)の栽培に初めて使用した。現在では複合肥料の原料用が総生産の7割を超えている。化学的には酸性肥料であるがパワージューサー には中性肥料であって、連用しても土壌を酸性化しない。肥効は速効性であるが、土壌中の鉄、アルミニウムと結合し、作物に吸収されにくくなるので、作物による利用率は通常ほかの化学肥料に比べて低い。しかし過リン酸石灰のこのような性質は、逆に、アルミニウムが活性化しやすいシャークスチームモップなどの礬土(ばんど)質土壌の改良に有効であり、大量に施用されている。カルシウムの炭素化合物。工業的には単にカーバイドまたはカルシウムカーバイドという。酸化カルシウムとコークスを電気炉中で約2000度Cに加熱溶融して製造する。これは不純物を含み灰黒色を呈する。カルシウムの液体アンモニア溶液にアセチレンを通じて生じた結晶を真空中で加熱すると、純粋の無色の結晶が得られる。Ca2+イオンとC22-イオン(アセチレンからプロトンが解離して生じたアセチリドイオン)のイオン結晶。乾燥空気中では安定であるが、 350度Cで酸化される。窒素とは約600度C以上で反応し、カルシウムシアナミドCaCN2を生成する。水と反応してアセチレンを発生する。 CaC2+2H2O→C2H2+Ca(OH)2 このアセチレンは有機合成用に多く用いられたが、現在では、この用途は石油を原料とする方法に置き換えられている。主要な需要は石灰窒素の製造原料および溶切断用アセチレンバーナーに向けられている。製鋼における脱硫、脱酸剤としても用いられる。石灰窒素の主成分。炭酸カルシウムまたは酸化カルシウムに、600〜850℃でアンモニアと一酸化炭素とを反応させると得られる。工業的には、細粒ないし粉末状の炭化カルシウムを、窒素気流中で約1000℃で加熱する方法がとられる。 CaC2+N2―→CaCN2+C この場合は黒鉛状の微粉末炭素を副生するので、生成物は黒色を呈する。この混合物を石灰窒素という。純粋なものは無色の固体。水に溶け徐々に加水分解されてアンモニアと炭酸カルシウムとになる。 CaCN2+3H2O―→2NH3+CaCO3 加熱によりこの分解は促進される。